3世代に愛されるほっとする味[奈良]あけぼのパン

投稿日:2019年2月27日(水曜日)

・子どもに食べさせたい素直な味わい
・約100年の歴史に裏付けされた地元人気

ガタンゴトンと、1時間1本のワンマン電車に揺られて訪ねたあけぼのパンさん。

つつじが有名な葛城山のふもと、奈良県葛城市の東部にあります。無人駅を降りると、改札の外に人の気配はまばら。大きな青空が目前に広がっていました。

しかし、お店の敷地内に一歩足を踏み入れると、忙しく立ち働く人々の姿が。
女性も多く、活気にあふれ、とてもにぎやかです。

市販のパンに加え、学校給食用のパンなども手がけているため、
「毎日、本当にめまぐるしく時間が過ぎていくんです」
と話してくださったのは、4代目を務める芦髙寧子(あしたかやすこ)さん。

きびきびとした一挙一動がとても印象的でした。
試作やパンづくりの研修も熱心で、講師を招いてスタッフ全員で腕を磨くことも。最近は焼き菓子(いただきましたが、これも美味!)も始めたそうです。

「給食のパンは好きでしたか?」
あけぼのパンの特徴のひとつは、市内・市外を含め、5校を超える小中学校にパンを納入しているところ。
曜日ごとに代わるさまざまなパンを、数多く製造されています。
そのため、あたりが静かな朝早くから、工場のまわりにはパンの焼ける香ばしい香りが。安全で安心なものをお届けするために、「保存料や乳化剤イーストフードなどの添加物は可能な限り抑え、工夫して焼き上げています」とは、店主の芦髙さん。

手間は、かかるそうですが、こうした取り組みは食育の観点からも、とても重要だと考えていると教えてくれました。
「子どもたちに伝えたい味」「人気商品なんです」
と紹介くださったさつまいも食パンは、ふわふわの食感に仕上げた生地に、ダイスカットしたさつまいもを練り込んだもの。

やわらかな食パンをかみしめると、さつまいものやさしい甘みがじんわり広がります。
「さつまいも独特のねっとりした食感と、食パン生地との相性がいいんです」
と芦髙さん。
育ちざかりの子どもたちに欠かせない、素材の特徴やよさをストレートに伝える、まっすぐな味だと感じました。
おじいさんが「この子にも食べさせてあげたくて」と、お孫さんと一緒に来店されたこともあるそうです。

「パンをつくり始めて約一世紀です」
あけぼのパンは、お餅屋さんとして大正10年に創業。パンをつくり始めてからは、もうすぐ100年を迎えます。現在の芦髙さんで4代目。とても長い間にわたって、地元で愛されている老舗です。
「ですから、このあたりに長くお住まいの方は、うちのパンを3世代にわたって食べていただいているんですよ」
とほほえむ芦髙さん。

子どものころに食べた味を、自分の子どもが、さらに、その孫が口にして大きくなる――とても素敵なお話だと思います。
地元の方から寄せられ続ける、おいしさと安心への信頼を感じました。

「奈良ならではの、“らしさ”を!」
地域密着のお話をもうひとつ。あけぼのパンは奈良県葛城市にありますが、「地元の高校生たちと、特産の“桑”を使ったパンやケーキづくりもしています」とのこと。

寄せられたアイデアをもとに試作を重ね、葛城市をアピールする地域活性化の商品として販売しているそうです。ほかにも、奈良ならではの素材を活用することにも、とても積極的。

「飛鳥時代の蘇(そ)(チーズのような古代の乳製品)をフランスパンに練り込んだり、粉末にした大和茶を使ったあんぱんも誕生しています」
と芦髙さん。
先日は焼き菓子もデビューし、百貨店で販売されるなど好評を博しているそうです。日々進化し続ける、奈良の老舗あけぼのパンのこれからに、ますます目が離せません。

あけぼのパン

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