“せとうち”のイメージを タータンへ昇華させたプロダクト

投稿日:2019年11月15日(金曜日)

タータンは日本人にとって身近な柄のひとつである。

そんな中、スコットランドのタータン登記所公認の「せとうちタータン」が誕生した。その概要に迫っていこう。

 

四季を通じて青が濃い瀬戸内

タオルハンカチは愛媛県今治市で作られている

百を超えるパターンのデザイン案から、「せとうちタータン」などの配色は決定している

「せとうちタータン」のデザインを手掛けた須藤玲子さんのスケッチブック。

 

「せとうちタータン」がつなぐ道と人々の交流

2018年より、JR西日本では瀬戸内エリアの新たな魅力を生み出すことで地域の活性化を目指す「せとうちパレットプロジェクト」を展開している。地域、産業、観光、鉄道など、多種多様な色と色を掛け合わせ、次々に提案される瀬戸内ならではのクリエイション。この取り組みの一環として誕生したのが「せとうちタータン」だ。

タータンのルーツはイギリスのスコットランド。イギリスといえば蒸気機関車発祥の地としても知られている。線路が交わり、人が交わり、そして地域と交わっていく。それは「2色以上の糸を使い、直角に交わること」と定義されるタータンや「せとうちパレットプロジェクト」の思いと重なり合う。

コンセプトは瀬戸内海に浮かぶ島々をつなぐ海の道と人々の交流。メインカラーとなる深いブルーは、色濃く澄んだ青をたたえる瀬戸内の海を表現している。「せとうちタータン」を用いたプロダクトは、ストールやトートバッグなど多彩なラインアップで構成されるが、「せとうち岡山タータン」、「せとうち広島タータン」、「せとうち山口タータン」を加えた4つの柄を揃えるのは、今回はタオルハンカチのみ。各県の個性をタータンで体現したタオルハンカチは、地域の象徴として育っていくはずだ。

テキスタイルデザイナー 高重織衣さん テキスタイルデザイナー 須藤玲子さん 須藤玲子さん/「布」取締役デザインディレクター。日本の伝統的な染織技術から先端技術を駆使してつくるテキスタイルは国内外で高い評価を受けている。高重織衣さん/チェルシー・カレッジ・オブ・アーツでテキスタイルデザインを学び、帰国後「布」に入社

 

特色ある各県の地域性をタータンで表現する

瀬戸内の魅力を詰め込んだ世界唯一のタータン

「せとうちタータン」をデザインするにあたり、意識されたことをお聞かせください。

(須藤)瀬戸内の地域性をタータンで表現したいと考えました。タータンにはイギリス王室のためにつくられた「ロイヤル・タータン」や、スコットランド・ハイランド地方の連隊に支給された「ブラック・ウォッチ」に代表される「レジメンタル・タータン」など、さまざまな意味をもつものがあります。私はかねてよりそれぞれに役割のあるタータンに興味を抱いていて、瀬戸内のトレードマークとなるような、「トレード・タータン」を生み出したいと思ったんです。

(高重)2008年、スコットランドにタータン登記所となる「The Scottish Registerof Tartans」が設立されたのですが、ここではタータンの定義を「2色以上を使い、それらの糸が直角に交わる格子柄であること」、「経糸、緯糸に使う糸の色と数が同じで、基本パターンが繰り返されること」など、細かな基準を定めています。「せとうちタータン」は当初よりタータンの登録を目指していたので、この定義に準じてデザインを進めていきました。無事に登録がされたので、世界唯一のタータンだと公式に認められています。

(須藤)比率や縞の数は2の倍数の組み合わせで構成。瀬戸内は世界遺産や美術館など、「4大◯◯」とされるものがいくつかあるため、4本の縞をデザインの決め手にしています。

(高重)青が7本、黄色が2本、緑が7本という縞の数は、瀬戸内海に727ある島の数に由来しています。一種の語呂合わせですね。 須藤 色は各地域の特徴から導き出しています。瀬戸内といえば濃いブルーをした海の色が印象的です。ですから「せとうちタータン」、「せとうち岡山タータン」、「せとうち広島タータン」、「せとうち山口タータン」でも同じブルーを使用。「せとうちタータン」の黄色は柑橘、緑は森のように見える島々をイメージしています。岡山、広島、山口と、合計百を超えるパターンのデザイン案をつくり、熟考を重ねました。島と島をつなぐ瀬戸内の関係性や海の奥行き、そのような重なり感は共通して意識しています。

 

すべて違う柄のタータンかと思うほど、印象が異なりますね。

(須藤)色を変えただけで、見え方がまったく違いますよね。瀬戸内は同じエリアでもそれぞれの個性が際立っている。そんな瀬戸内らしさを表せたかなと思っています。 タオルハンカチをつくってくれたのは、タオルの一大産地として知られる愛媛県今治の職人さんたち。納得できる色にするため何回も糸染めのサンプルを出してもらい、吸水性が高く優しい風合いに仕上がっています。縫製は1枚ずつすべて手作業です。

「せとうちタータン」を通じて伝えたい思いとは?

(須藤)瀬戸内の気候風土がもたらす美しい海の色や、各地域の魅力を伝えられたらうれしいですね。 高重 地元の方々にも「せとうちタータン」を愛していただけたらいいなと思っています。

 

1)染色前の糸。均一に色が染まるよう工夫が施されている。2)タオルハンカチで使う青色の糸のサンプル。何回も糸を染め、目指す色を実現させた。3)糸は機械で染め上げる

1)経糸に緯糸を通し、織り上げる。織機に糸をかけて準備をするのにも、高い技術が必要とされる。2)緯糸の巻きをつくる工程。3)大和染工から届いたタオルハンカチ用の糸

1)タオルハンカチのミミの部分を一気に縫い上げていく。2)ミミを縫製後、つながっていたタオルハンカチを1枚ずつ裁断する。3)ヘムと呼ぶ縫製部分を縫う最後の仕上げ

 

シンプルで普遍性の高いデザインとし、比率と縞の数は2の倍数で構成されている。

ロゴマークは綾織りの布地(斜線)を「SETOUCHI TARTAN」のSとTで表現。綾織りによる縞が交差し、重なり合って出来上がるタータンの構成をイメージしたという。

せとうちタータン 今治タオルハンカチ

詳細はこちら


せとうちタータン 綿ウールストール

詳細はこちら


せとうちタータン トートバッグ

詳細はこちら


せとうちタータン ミニトートバッグ

詳細はこちら


せとうちタータン ネクタイ

詳細はこちら


せとうちタータン 帆布トートバッグ

詳細はこちら


せとうちタータン メンズソックス

詳細はこちら

コメントはブログ管理者が公開するまで表示されません。

※本名など個人を特定できる情報の入力はご遠慮ください。